ピアノに行く時間になると急に元気がなくなったり、無口になる我が子…。
しまいには「行きたくない」と泣かれてしまうと、親としてはどうすればいいのか悩みますよね?
この記事では、我が家が実際に経験したピアノ騒動を振り返りながら、
- 子供の気持ち
- 親の気持ち
- 先生の気持ち
の全てを正直に話し合った結果、
「ピアノを辞める」
という決断をした経緯と、記事の最後には
ピアノ教室を辞める時にお渡しした実際のお礼の品(金額)の紹介や、
ピアノをやめたその後の子供の様子もあわせて紹介しますね。
ピアノの辞め時は子供の成長と関係あり
まず、ピアノの先生がおっしゃるには
やはり小学6年生というのは大きな区切りの時期であり、
ピアノを「辞める・続ける」という分岐点になる事が多いそうです。
- 中学生活という新しい環境への不安
- 中学校の部活動との兼ね合い
- レッスンの難易度が上がる
- 思春期に入り自分の意思がはっきりしてくる
- 自分の好きな事が他にも見つかる
などなど、
娘がピアノをやめた理由も、これらの理由が複数合わさったものでした。
娘の場合は小学4年生ごろから「行きたくない…」が発動
娘は小学2年生からピアノを習い始めたのですが、
以下のような環境でレッスンを受けてきました。
- 個人レッスンのピアノ教室
- 先生のご自宅でグランドピアノ使用
- 週1回、レッスン時間は40分
- お月謝は6,000円~7,000円
ピアノの先生は子供の能力にあわせた内容でレッスンして下さり、
指づかい・音符カードの早読み・リズムのとり方など、基礎をしっかり身に付けてもらいました。
小学3年生になると練習曲をどんどんやって、
合格スタンプが貯まったら、ちょっとしたプレゼントをいただいて帰ることも。(←娘が嬉しそうに話してくれました)
しかし、娘は小学4年生ごろから半年に1回くらいの割合で「行きたくない…」と言い始めます。
ついつい私も娘の練習を気にかけない事が増えていたので、
毎日決まった時間に声掛けや、分からない部分を見てあげたり(私は昔ヤマハを習ってました)サポートしてました。
が、
小学5年生を過ぎたあたりから「いつなら辞めていい?」と聞かれるように…。
以前のような低学年用のカラフルでかわいい絵が描かれたレッスン本ではなく、
ブルグミュラーをやり始めた娘は、難易度が上がった事を負担に感じていたようです。
ピアノの発表会も学年が上がるにつれて負担に…
娘の通うピアノ教室は、年に1回の発表会があります。
- ソロで弾く楽曲(←練習曲の中から選曲)
- 2人での連弾(←流行の曲など好きなものを選曲)
親もピアノが弾ける家庭は”親子連弾”となり、発表会には私も出て弾きました。
(それ以外の子は先生と連弾します)
小4・小5となるにつれて曲の難易度もあがり、
発表会までの半年間は、通常のレッスンに加えて発表会の曲をずっと練習するのも嫌だったそうです。
頑として動かなくなった娘!
娘が小学6年生の夏、ピアノの発表会のお知らせをいただのですが、
開催日は約1年後…。
娘が中学1年生になっている時期でした。
先生からは「連弾で弾きたい曲があればお知らせください♪」と連絡があったので、
娘とネットであれこれ連弾曲を探してたのですが、娘は「う~ん」と唸ったまま結局決まらず…。
そうこうするうちに小6の2学期が始まったのですが、
とうとうある日「もうピアノやめたい…」と言って頑として動かない状態に!
いつもとは明らかに違う態度に”私だけでは解決できない”と感じ、先生へ連絡。
先生には
「娘がピアノに対して前向きな気持ちになれないようなので、今日のレッスン時間に相談にのっていただけますか?」
とLINEを送りました。
ピアノ教室を続けて欲しい母親の本音
ピアノを習いたいと言ったのは娘の方からでした。
小学校1年生の時、お友達が休み時間に教室のオルガンを弾いてるのを見て、自分も弾けるようになりたいと思ったそうです。
私も子供の頃にヤマハエレクトーン教室(時代を感じる…)で習ってましたが、
エレクトーン教室ではそもそもピアノ曲自体を教えてもらえなかったので、
娘には「エリーゼのために」や「子犬のワルツ」を習えるれっきとしたピアノ教室を選んだんです。
勝手に期待した「子犬のワルツ」
あこがれの「子犬のワルツ」をもしかしたら娘が弾くようになるかもしれない!
なんて、心のどこかで期待してたんでしょうね~。
習うのは娘なのに、私は勝手に”子犬のワルツ”が弾けるくらいまで頑張って欲しいと思ってました。
でもそんなの娘は知ったこっちゃありません。
そうこうするうちに、先生から先ほどのLINEの返信をいただき、
「ぜひお母様も一緒にお話ししましょう!お待ちしています。」
と言っていただいたので、
娘・私(母)・先生の3人で話し合いをするために、親子で重い気持ちのまま先生宅へ向かいました。
ピアノをやめたい子に対する先生の気持ちは…
先生は40代後半で、ご自身にもお子さんがいらっしゃる方なので、母親の気持ちにもご理解ある方でした。
私と娘をいつものように明るく迎えていただき、娘の気持ちを聞いて下さいました。
先生のピアノ教室には色んなタイプのお子さんがいて、
- いくつもの習い事をかけもつ子
- 難しいと言いながら頑張る子
- いつも全く練習してこない子
などなど、様々な子がいる中で、
先生がピアノを教える中で大切にしているポリシーがあると教えていただきました。
ピアノの先生が大切にしているポリシー
先生は、自分がピアノ教室をするにあたって、
自分で楽譜が読めて曲が弾けるようになる
という事を、とても大切に考えられてるそうです。
生徒さんに「楽譜が読める・曲が弾ける」という”種”をまくことが自分の役割とおっしゃいました。
娘はすでに、自分で「この曲弾いてみたい」と思ったら
楽譜をダウンロードして自分で練習して弾いたりしています。
その事を先生に話すと、
「○○ちゃんは譜読みもできてますし、ある程度の曲なら自分で弾けるのでもう充分ですよ」
と言っていただけました。
ピアノ以外に好きな事・やりたい事があればそっちを優先してOK
娘はイラストを描くことが好きで、
小学3年生ごろからはピアノよりもずっと長い時間絵を描く子でした。
そのことは先生も娘から聞いてご存じだったようで、
「私はピアノ教師ですが、私の娘はスポーツが好きでピアノ全くやってませんよw」
と笑って教えて下さいました。
ピアノを習う間に子供は心も体も急激に成長するので、
色んな事に興味をもったり、好きな事が見つかったりするのはとても良い事だと言っていただきました。
ピアノを嫌いになって欲しくないからやめました
先生も私も、
無理やりピアノを続けさせてピアノを嫌いになって欲しくないという共通の思いがあったので、
話の結論は自然に辞める方向へ進んでいきました。
先生からは、
「今日をもってスパっと辞める方が本人のためにもいいのでは?」
と背中を押す言葉をかけていただいた時には、
相談だけのつもりだった私は心の準備もままならず、急なお別れに寂しさが押し寄せました。
私は親子連弾の練習で一緒に発表会に参加していたので、
まるで自分もピアノをやめるような感覚になってしまったのです。
でも子供の気持ちと先生のお話しを聞いて、やめる事が1番良い選択なのは分かっていたので受け入れました。
先生とはトータル30分ほど色々相談しましたが、最後には娘と一緒に
「今までありがとうございました」とお礼を言ってご自宅を後にしました。
(※改めてお礼に伺いたいので、先生のご都合の良い日を聞いて帰りました。)
ピアノをやめる時の「お礼の品と金額」
個人レッスンで4年間習い、発表会では母親の私までお世話になったので、
最後はきちんとお礼をさせてもらうことにしました。
(先生は「おかまいなく~」と仰ってましたが)
その時に用意したのは以下の2つです。
- お花(カゴに入ったアレンジメント)
- お菓子(焼き菓子で賞味期限の長いもの)
お花(2,000円程度)お菓子(2,000円程度)なので、合計で約4,000円でした。
お花はカゴに入った吸水スポンジに挿してあるものに。
花束だと包装を外して花瓶に生けないといけないので、すぐに飾れるものがいいと思ったからです。
お菓子も先生の良い時に召し上がってもらえるように賞味期限の長いクッキーにしました。
どちらもいわゆる”消え物”(使ったり食べたりして無くなるもの)ですね。
(お花もお菓子の箱も両手に乗るくらいで、大きなものではありません。)
日を改めたお礼は私(母)だけで伺いました
娘は最後のレッスン日にしっかりと先生と話し合いをして、
帰る時には最後のお礼もお伝えしたので、日を改めたお礼は私1人で行きました。
私だけで先生宅へ伺い、お花とお菓子をお渡して5分ほどお話したのですが、
その際、先生から娘へとハンカチをいただきました。
帰り道、4年間送迎した思い出がよぎりながら運転しましたが、
なんだかやっぱり切ない気持ちになりましたね~。
ピアノをやめた娘のその後
我が家の閉じられたままの電子ピアノはいつになったら弾いてもらえるのかな~~?
と思っていたある日、
娘は何やら音楽を聴きながらピアノを触っていました。
「お母さん、この曲の楽譜がほしい!」
と言ってきたのですが、好きなゲーム音楽を自分で弾いてみたいとのこと。
ピアノを辞めてから半年ほど経った頃の出来事です。(ピアノを嫌いにならなくてよかった!)
こんな感じでゆるく楽しむのも悪くないし、大人になってまた習いたければ習えばいいと思ってます。
もし、あのまま親子だけで悩んでいたら私が無理やり続けさせていた可能性もありました。
そう思うと、思い切って先生に相談して良かったなと今になって実感しています。